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手術手技|膝蓋骨粉砕骨折に対する「スパイダーウェブ法」縫合固定

膝蓋骨粉砕骨折は、臨床的に困難な問題です。その難しさは、どのように整復し、完全な関節面を形成するか、そしてどのように固定し、固定を維持するかにあります。現在、膝蓋骨粉砕骨折には、キルシュナー鋼線張力バンド固定法、カニューレネイル張力バンド固定法、鋼線縫合固定法、膝蓋鉤爪固定法など、多くの内固定法があります。治療の選択肢が多ければ多いほど、様々な治療選択肢の有効性や適用性は高まります。しかし、今回の骨折パターンは予想外のものでした。

ASD (1)

さらに、様々な金属製の内固定具の存在と膝蓋骨の浅い解剖学的構造により、インプラントの炎症、Kワイヤーの抜去、ワイヤーの破損など、術後の内固定に関連する多くの合併症が発生し、臨床現場では珍しくありません。そのため、海外の学者は「スパイダーウェブテクノロジー」と呼ばれる非吸収性縫合糸とメッシュ縫合糸を用いた技術を提案し、良好な臨床結果を得ています。

縫製方法は次の図のようになります(左から右、上から下の行へ)。

まず、骨折を整復した後、周囲の膝蓋腱を膝蓋骨の周囲に断続的に縫合して、膝蓋骨の前にいくつかの緩い半環状構造を形成し、次に縫合糸を使用して各緩い環状構造を輪状に結びます。

膝蓋腱の周りの縫合糸を引き締めて結び、次に2本の対角縫合糸を交差させて縫い合わせて結び、膝蓋骨を固定し、最後に縫合糸を膝蓋骨の周りにループ状に巻き付けて1週間固定します。

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ASD (3)

膝関節を屈曲・伸展させると、骨折がしっかりと固定され、関節面が平坦になっていることがわかります。

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典型的な症例の治癒過程と機能状態:

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この方法は研究において良好な臨床結果を得ていますが、現状では、国内の医師にとって依然として強力な金属インプラントの使用が第一選択肢となる可能性があり、術後のギプス固定を補助することで骨折を予防し、内固定を回避する可能性もあると考えられます。失敗が第一の目的であり、機能的転帰や膝の硬直性は二次的な考慮事項となる可能性があります。

この外科的治療は、一部の適切な患者に対して中等度に施行できますが、日常的な使用は推奨されません。この技術的方法を臨床医の皆様に参考として共有してください。


投稿日時: 2024年5月6日