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髄内釘について理解する

髄内釘固定法は、整形外科において広く用いられる内固定法です。その歴史は1940年代にまで遡ります。長骨骨折や癒合不全などの治療に広く用いられており、髄腔の中心に髄内釘を留置することで骨折部位を固定します。本号では、髄内釘に関する関連コンテンツをご紹介いたします。

髄内N1の理解

簡単に言えば、髄内釘とは、両端に複数の固定ネジ穴を備えた長い構造物で、骨折の近位端と遠位端を固定します。構造の違いにより、中実型、管状型、開放型などに分類され、様々な患者に適しています。例えば、中実型髄内釘は内部に死腔がないため、感染に対する耐性が比較的高く、より優れた固定能力を備えています。

髄内N2の理解

脛骨を例に挙げると、髄腔の直径は患者によって大きく異なります。リーミングの必要性の有無により、髄内釘はリーミング釘と非リーミング釘に分けられます。両者の違いは、髄腔リーミングに手動式や電動式などのリーマーを使用する必要があるかどうかです。また、より大きな直径の髄内釘を挿入できるよう、ドリルビットを徐々に大きくして髄腔を広げていきます。

髄内N3の理解

しかし、図に示すように、骨髄拡張の過程では骨内膜が損傷し、骨の血液供給源の一部に影響を及ぼし、局所骨の一時的な無血管性壊死を引き起こし、感染のリスクが高まる可能性があります。ただし、臨床研究では有意差があることを否定しています。髄腔リーミングの価値を肯定する意見もあります。一方で、より大きな直径の髄内釘を髄腔リーミングに使用できます。直径が大きくなるにつれて強度と耐久性が向上し、髄腔との接触面積が増加します。また、骨髄拡張の過程で生成される小さな骨片も、自家骨移植において一定の役割を果たしているという見解もあります。

髄内N4の理解

 

非リーミング法を支持する主な論拠は、感染症や肺塞栓症のリスクを軽減できることですが、直径が細いため機械的特性が弱くなり、再手術率が高くなるという点も無視できません。現在、脛骨髄内釘の多くは拡張型髄内釘を使用していますが、患者の髄腔の大きさや骨折の状態に基づいて、その長所と短所を比較検討する必要があります。リーマーに求められる要件は、切削時の摩擦を低減し、深い溝と小径のシャフトを備えることで、髄腔内の圧力を低減し、摩擦による骨や軟部組織の過熱や壊死を回避することです。

 髄内N5の理解

髄内釘を挿入した後は、スクリューによる固定が必要です。従来のスクリュー位置固定は静的固定と呼ばれ、治癒を遅らせる可能性があると考える人もいます。改善策として、固定用のスクリュー穴を楕円形に設計したものがあり、これは動的固定と呼ばれます。

以上が髄内釘固定術の構成要素の紹介です。次号では、髄内釘固定術の概略的な流れについてご紹介します。


投稿日時: 2023年9月16日